昨今AIの進化は凄まじく、AIを通して様々なことができるようになりました。技術的にどうすごいかという話はありますが、僕は「なぜAIがこんなに広まったのか」に着目したいと思います。
技術的に素晴らしさえあればみんなに使ってもらえる、というわけではありませんよね。AIは明らかに「チャットするだけで何かができる」という圧倒的な手軽さが広まった要因です。非エンジニアだろうが、おじいちゃんおばあちゃんだろうが、少なくとも何かしらの操作を始めることは出来ます。手順はLINEとほぼ同じですからね。
僕はこの10年Web制作を本業として活動してきました。長くやっていくと、誰でもある程度「どう使ってもらうか」「どうしたら使いやすいか」を考えるようになります。僕も考える機会が徐々に増えました。
「高齢者がターゲットだから文字は大きくしたほうが良いだろう」「記事の文章が長すぎると読みにくいから適度に挿絵を入れよう」「背景色と混ざらないように文字色はこれにしよう」といった簡単なレベルから、アクセシビリティ改善のためにWAI-ARIAを学んだり色々調べました。
ですが、果たしてこの発想は本当に意味があったのかと思うことが多々ありました。もちろんやらないよりはやったほうがいいです。でもそんなのはこの世の全てがそうです。
僕の母60代後半ですが、スマホは苦手です。Amazonで何かを買いたくても、
- 購入ボタンが見つからない
- わかりにくいスクロールなどがあると詰む
- カードの登録が成功しない
など簡単に操作不能に陥ります。結局代わりに僕が操作をしました。アクセシビリティの考え方はずいぶん進んだように思いますが、大手サイトでもとても使いやすいとは言えないページが数多く存在しています。
また、親戚に弱視の人がいます。彼は目がスマホにくっつく勢いで近づけて使っていました。全く見えないわけではないこともあるでしょうが、読み上げ機能などを使うよりはマシだと体感があったようです。
目が不自由な方のコミュニティを訪ねてインタビューをしたこともありました。詳細は別記事に譲りますが、
- 文字は大きければいいわけではない
- 画像での認証(例. 自転車のタイルを選択してください)方式はほぼ突破不可
読み上げ機能については、
- そもそも耳から入ってきた情報処理がしんどい
- 日本語特有の漢字の読み問題がある
などかなり根本的な課題が多かったです。

そもそもを言ってしまえば、
- 画面右上の謎の3本線を押すとメニューが開く(ハンバーガーメニュー)
- 文字の右端に+や下矢印があったらアコーディオンメニューである
- 歯車アイコンは設定ページに飛ぶ
冷静に考えてこんなもん初見で誰がわかるんだという話なわけです。一見さんお断りという京都の料亭のような事態を全Webサイトが行なっているような状態とも言えます。
そもそもサイト、サービスごとに操作方法が全て異なるという性質自体に我々は疑問を持つべきというか、ちゃんちゃらおかしくないか?と。何か新しいものが出るたびにツールの使い方を覚えてられるか。
そりゃAIが流行るよ。だってチャットするだけでいいんだもん。
そう思うと、WebサイトだのWebサービスだののフロント画面やUIなんてものはもはや不要で全部AIとのチャットで話を始められるほうがよっぽどアクセシビリティ高くね?と思うし、実際そうなってきているよね?とも感じます。自分自身Google検索画面を開いてそれぞれのページを開いて読んで・・・なんてことはもうほぼしなくて、調べ物の9割はAIとの対話が占めています。
だったらもうUIは全部AIにして、自然言語で全てを操作する。少なくともスタート地点はこれがいいと思うんですよね。
まあでもこれって、「Amazonの操作を息子に代行してもらう」のと本質的にはほぼ一緒だと思うのでむしろ自然な形なのではないかと思います。
Webからは離れますが、券売機形式の飲食店も同様のことが発生していると思います。高齢者や、特に外国人観光客が飲食店に行って初手であれを操作させられるのはかなりストレスでしょう。店によって微妙に手順違うし、やっぱり違うメニュー頼みたいとなった時の戻り方とかもわかりにくい。そのうち後ろに並んでいる人のプレッシャーに耐えきれず別の店へ行く・・・
だったら店員さんに注文取ってもらったほうが良かったんじゃないの?って思いますよね。そこがAIに置き換われば楽になる。自然言語の操作なら全世界共通というか、新しく何かを覚えなくていいですからね。
少なくとも僕はそういう方向で「使いやすい」を考えていこうと思いました。

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